京浜急行(一号式ATS)
京浜急行は、抑速・減速・B点・注意・警戒・B点・停止という順で速度照査が行われます。
抑速信号は制限100km/hで、直下で105km/h以上出ていると45km/hまで常用で減速します。
減速信号は制限70km/hで、直下で75km/h以上出ていると45km/hまで常用で減速します。
注意手前のB点では制限68km/hで、直下で68km/h以上出ていると45km/hまで常用で減速します。
注意信号は制限40km/hで、制限区間において45km/h以上出ていると45km/hまで常用で減速します。
制限25km/h以下は、超過すると非常ブレーキが動作します。
警戒信号は制限25km/hで、直下で25km/h以上出ていると非常ブレーキが動作します。
停止手前のB点では制限15km/hで、制限区間において15km/h以上出ていると非常ブレーキが動作します。
速度照査には軌道回路が用いられており、制限区間でも現示が変わればすぐに加速することができます。
京浜急行(C-ATS)
信号機の直下から速度照査を始め、超過時は常用ブレーキで照査速度まで減速します。(105km/h,75km/h,45km/h,25km/h照査)
(京急線内の一部信号では、注意信号手前(YB点)で68Km/hの速度照査があり)
停止現示の場合、停止信号手前のB点からパターンが発生し、表示器に"P"が表示、超過した場合は非常ブレーキが動作します。
(パターン超過5秒前にチンベルが鳴動)
閉塞信号が停止の場合:5km/h以下になってから1分が経過すると15km/h照査となり、無閉塞運転が可能となります。
出発停止の場合:5km/h以下になってから5秒が経過すると7.5km/h照査となり、誤出発を防止しています。
場内停止の場合:5km/h以下になってから5秒が経過すると力行がカットされ、10秒が経過すると常用最大ブレーキが動作します。
停止信号直下のA点を踏んだ場合、非常ブレーキで停車します。
曲線での速度照査の場合、カーブ手前の(2閉塞程度手前)から速度照査が行われ、表示器に"L"が表示されます。
この時点では、減速準備区間であり、表示器に表示された速度を上限に運転することとなります。
曲線がある閉塞に入ると、減速パターンを受信し、超過時は非常ブレーキで停車します。
(閉塞入口でしかパターンを生成できないため、余裕が無い場合は減速準備区間を設けるようです)
曲線に入ると、制限速度+10km/hで照査し、超過時は非常ブレーキで停車、いずれも停車後は、制限を抜けるまで15km/h制限となります。
また、最高速度以上になった場合、表示器に"NC"が表示され、力行がOFFとなります。(現示がアップしたら即座に加速が可能)
小田急電鉄
小田急のOM-ATSは、変周式です。信号機の手前3箇所と、任意の地点で速度照査を行うことができます。減速・注意・警戒信号はそれぞれ75km/h、45km/h、25km/hですが、信号機1個に対して地上子を最大3個まで設置して速度照査をする場合があります。例えば、注意信号の手前で、75km/h→45km/hと照査することも、45km/h→45km/hと照査することもあります。加えて、停止信号の場合は直下地上子の前に18km/hで照査があります。1km/h以上速度超過していると、常用ブレーキで指定速度まで減速されますが、照査速度が25km/h以下の場合は、超過すると非常ブレーキが動作します。カーブでの速度照査は基本的にありませんが、停車場通過防止のため、場内で55km/h、45km/hといった制限がかけられている駅があります。この制限は、超過すると異常とみなされて非常ブレーキが動作します。なお、即非常ブレーキの対象となる速度制限を受けている最中は運転台の「速度注意」が点灯します。速度照査は点で行うため、途中で現示がアップしても、次の地上子までは速度を上げることはできません。
東武鉄道
東武では、信号機の手前二箇所、直下P1地上子と180m外方のP2地上子があります。現示が注意もしくは警戒の場合、P2地上子から85〜95→60km/h(貨物は65→35km/h)のパターンが発生し、速度照査します。現示が停止の場合は、P2地上子から60km/h→15km/h(同、35→8km/h)のパターンが発生します。R現示の絶対信号機のP1地上子を踏むと、非常ブレーキが動作します。発生したパターンに当たると非常ブレーキが動作します。停止現示を超えたときは、復帰動作をすると、15km/hの制限で運転の継続ができます。また、進行現示でも車種によって速度制限はあり、7km/h超過すると非常ブレーキが動作します(100系は120km/h、200系は110km/h、8000系は100km/h、5000系は95km/h)。ただし、閉塞が短くて、P2地上子で非常がかかっても間に合わない場合、注意・警戒現示の360m外方にP3地上子を置き、85〜95km/hの制限を超えていた場合に非常がかかるようです。
近畿日本鉄道
近鉄のATSは、小田急と同じ変周式です(減速95km/h、注意65km/h、警戒30km/h)。減速信号では50m手前で95km/h、注意信号では同じく65km/hの照査を、警戒信号では200m手前で45km/h、100m手前で30km/h照査を受けます。停止信号も同様ですが、50m手前が絶対停止となり、超過すると非常ブレーキが動作します。また、停留場進入時にも速度照査があり、種別により65km/hもしくは45km/hの速度照査を受けます。また、ATSによる速度照査をしている速度制限箇所もあり、超過すると同様に非常ブレーキが動作します。速度照査は点で行うため、途中で現示がアップしても、次の地上子までは速度を上げることはできません。ただし、0,30,45,65km/h以外は地上での速度照査です。2008年6月より、主要路線が新型ATSに切り替わりました。
京王電鉄
京王は車上演算式の一段ブレーキATCです。現在の速度は速度計の周囲に表示されます。超過時に常用ブレーキが動作する通常パターンと、非常ブレーキが動作する過走防護パターンの二種類があり、また、駅停車時は5km/hへのパターンが発生します。
京王電鉄(2010.3まで)
京王のATSも、小田急と同じ変周式です。信号機による制限区間で減速75km/h(井の頭線は70km/h)、注意45km/hにて速度照査を行い、超過していたら常用ブレーキで指定速度以下に減速、警戒25km/h以下では非常ブレーキが動作します。また、ATSによる速度照査をしている速度制限箇所もあります(頭端式ホームでは25km/h以下で順に速度照査しており、超過すると非常ブレーキが動作)。速度照査は点で行うため、途中で現示がアップしても、次の地上子までは速度を上げることはできません。
西武鉄道(2011.11.5更新)
西武鉄道はパターン式のATSを採用しています。ATS-Pでは、停止信号からパターンが発生しているのみですが、西武のATSでは、進行、注意、停止信号で照査を行っており、進行(G1)では115km/hとなっています。パターンが発生するB2点を通過すると、95km/hへのパターンが発生し、B1点で95km/h照査となります。次に、注意(Y)に向けて60km/h、停止(R)に向けて0km/hへのパターンが発生します。超過すると非常ブレーキが動作します。また、列車選別装置により、駅停車パターンが発生しており、超過すると非常ブレーキが動作します。
阪急・阪神・山陽電鉄
信号による制限区間で速度照査を行い、5km/h超過していたら常用ブレーキで指定速度以下に減速します。その他、場内信号で制限していない駅でも、駅進入用の速度照査があります。25km/h・45km/h・65km/hの速度制限があり、こちらも5km/h超過すれば常用ブレーキで自動減速します。出発停止といった絶対停止の場所で過走すると非常ブレーキが動作します。軌道回路を用いているため、現示が変わればすぐに加速することができます。
名古屋鉄道
車上タイマ式で、信号直下、任意の場所で速度照査を行います。信号機による速度照査は減速85km/h、注意65km/h、警戒25km/hの三段階で、その他においても速度照査の設定ができます(例えば神宮前駅は、手動踏切がある関係で50km/h、30km/hの照査があり)。地上子は進行右寄りに二個セットになっており、速度超過(+5km/hのようです)すると非常ブレーキが動作します。停止信号の直下に絶対停止は存在せず、15km/hで照査を行っているようです(「20km/h以下で現示を超えることができる」との現職のお話からの推測です)。停止信号で一分間停止後は、15km/hでの運転継続が認められています。
京阪電鉄
京阪のATSは地上タイマによる点照査です。速度照査地上子にて、カーブでは10km/h、分岐器では2km/h、信号では1km/h以上超過すると警報が鳴動して非常ブレーキが動作(デッドマンと呼称)します。また、キーを差し込まずに逆転器、マスコンを操作したときも同様の動作となります。
減速信号65km/h、注意信号45km/h、警戒信号25km/hのほか、警戒現示が無い場合も25km/h照査が、停止信号手前に15km/h照査があります(停止位置手前に、誤通過防止用の15km/h照査がある駅もあります)。
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